~人間に生まれる難しさ~
生命の中でも、人間界に生まれる事は極めて難しいと言われています。次のような喩え話で、人間界に生まれる事の難しさを教えられているのです。

こちらの絵にある「首かせ」は、二頭の牛をつないで農耕させるためのものでした。この「首かせ」の板が中央で縦に割れてしまい、牛を二頭つなぐ事が出来なくなると、畑の端に捨てられます。
ある日の大雨で、この捨てられた上下二枚の「首かせ」が川まで流されます。さらに海へと運ばれます。
波に漂う上下二枚の「首かせ」が、ぴったりとくっ付いて「首穴」が出来た瞬間があるとします。
そこに百年に一度海面に頭を出す、視力を失った老亀が、ちょうど海面に顔を出す時と重なりました。

そのたまたま波によって合わさった二枚の板が再び「首穴」を作った一瞬に、老亀がその穴に頭を突っ込んで海面に顔を出す確率。それはどのくらいの確率でしょうか?

まずあり得ませんね。では絶対にあり得ませんか?
そこは、絶対とは言い切れないのです。
まさにその位の確率でしか、人間界には生まれられないと言われているのです。
人間に生まれている今、「仏陀のお教え」を学ぶ事がどの位大切かがお解かり頂けるかと思います。
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©2008 絵で見る六道輪廻と涅槃への道 - 釈尊に学ぶ 「今を生きる智慧」~寺子屋三宝庵~