~諸行無常~

この世の中の普遍的な法則は、全てのものは変化するという「無常」の法則です。存在しているのは「瞬間」です。次の瞬間に、全てのものは変化した姿で「存在」するのです。
存在は瞬時に滅して、変化した別の姿になるのです。それは「存在する」とも言えず、「存在しない」とも言えない状態です。
「無常」とは、こうした「実体の無い生滅の変化」の事です。

流れている水も、川底の形も瞬間瞬間変化している「川」の様に、私達も常に変化している「無常」です。変化しているとは言え、川の流れの方向を変える事は、なかなか難しいですね。私達人間には、思考と言う大きな流れがあるのですが、やはりその思考の方向性を変える事も難しいのです。水が低きに流れる様に、人生も安易な方に流される事は簡単です。

しかし水はダムや堤防を築き、水路を作る事で、方向を変えたり、利用価値を高める事が可能です。人間も、道徳を守る事、仏教を学ぶ事によって思考の流れを少しずつ変えて、立派な人生を歩む事が出来る様にもなるのです。
この世の中の全てが無常ですから、良い方向にも悪い方向にも変化します。
私達が「死」を迎えた時に、この絵のお釈迦様の様に多くの生命から惜しまれるならば、私達の人生は成功だったと言えるのではないでしょうか。
全てが無常の世の中だからこそ、その様に言ってもらえる人生を歩む努力は、年齢を問わずに、常に必要なのです。
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©2008 絵で見る六道輪廻と涅槃への道 - 釈尊に学ぶ 「今を生きる智慧」~寺子屋三宝庵~