~諸法無我~
私達は、変わらない「私」がいると思っています。しかし本当に「私」は変わらないのでしょうか?
よく観察してみると、ずっと同じ「私」ではありません。
肉体は、細胞一つ一つ見ても「死んだり」「生まれたり」と変化し、全体的にも「成長」あるいは「老化」と呼ばれる様に「変化」します。
心も「欲張ったり」「怒ったり」「笑ったり」「眠くなったり」「落ち込んだり」と変化します。
やりたい事も細かく分析すると「食べたい」「歩きたい」「話したい」「眠りたい」「動きたい」と変化しています。
感覚も「暑い」「寒い」「痛い」「かゆい」「持っている」「歩いている」「立っている」と変化しています。
生きている間中、これだけの変化を瞬間瞬間しているのです。
死んでしまうと、今まで可愛がって、喜ばせて、楽しませていた肉体も腐敗してしまいます。私達の肉体は腐敗する性質があるのです。
その常に変化する肉体を私達は、「これが私である」と思って、大事に守っているのです。
しかしどこにも、「私の本体」はありません。変わらない「私」があるのではなく、変わっていくものに「私という名前」を付けているだけなのです。
永遠不滅の「魂」があるのでも、悟る可能性の「仏性」があるのでもありません。この世の中に普遍的にあるのは「変化」ですから、私達を含めた全てのものに「我」は「無い」のです。この事を「諸法無我」と言います。
back next   
©2008 絵で見る六道輪廻と涅槃への道 - 釈尊に学ぶ 「今を生きる智慧」~寺子屋三宝庵~